小正月

旧暦の1月1日のお正月は、当然ながら新月で真っ暗なお月さまです。旧暦は月の満ち欠けを基準に暦にしているから1年最初の月の初日も新月と決まっています。

そのお月さまがだんたんと厚くなり、1年で最初の満月を迎える1月15日が小正月にあたります。小正月は1年最初の満月を祝う行事です。小正月の前夜には正月飾りや門松などを片付けて左義長の準備をします。

主に農村部では、豊作を祈る行事として農作物を象った飾り物や、養蚕の盛んな地域では繭を象った餅をつくったりします。繭玉は餅花ともいいますが、その繭玉を左義長の焚火で炙って食べるとその1年を無病息災で過ごせるといいます。これは新年初めての満月の夜に、予め花や実がたわわに実っている豊作の状態をつくることで現実がそのようになることを働きかける「予祝(よしゅく)」の行事です。

小正月には、赤い食物である小豆でつくったお汁粉をたべると魔除けになるもいわれ、鏡開きで残った餅を入れて食します。

繭玉
だんご粉に食紅を垂らして練りこむと紅餅になります。小さい繭玉をたくさんつけたほうがキレイに見えますね。雑すぎました。子供たちと一緒に繭玉を作るといい思い出になりますね

 

小正月の室礼

お正月に活けたお花に梅や桃、桜があれば、丁度良く繭玉をさす枝になります。

お子様の名前を記した名前旗や命名旗も一緒に飾って、一年の無病息災を祈ります。

小正月の室礼

繭玉の作り方

材料:だんご粉 食紅赤

  1. 市販のだんご粉、上新粉に水を少量づつ入れて練りこみます。だんご粉の袋裏側に粉に対して水の分量が記述されていますが、一気に入れず少量づつ練りながら入れるのがコツです。
  2. 練りこんだ生地を半分に分けます。片方に食紅赤を少量いれて練りこみピンクの繭玉の素を作ります。片方には食紅は入れないので紅白の繭玉の生地がそろいます。
  3. 上記 2 の紅白の生地を10分ほど蒸します。蒸し器でなくても、お鍋の底に水を張ってその上に耐熱皿を置き、キッチンシートの上に生地をおいてもよいです。
  4. 蒸しあがった 3 の生地をヘラなどで練ると弾力が出ます。それを温かいうちに枝にさしたり、くっつけたりして繭玉が完成です。

幼児は粘土遊びが好きなので、一緒に繭玉つくりをするときっと楽しい思い出になると思いますよ!

小正月には、12月の「正月事始め」から忙しく働き通しだった婦人の皆さんを労い、この小正月を「女正月」としている地方もあります。この日はご婦人がただけでお酒を飲む風習があるそうです。

お正月も現代では大体この日でおしまいです。お正月の期間活躍してくれた命名旗や名前旗も一旦お休みして、三方などと一緒にしまっておいてもいいですね。とはいえ、次回は立春と節分と年中行事は続きます。

 

左義長・どんと焼き

左義長(さぎちょう)は、正月飾りを焚いて祓い清める小正月に行われる行事です。

1月14日の夜または1月15日の朝に、正月飾り(注連飾りや門松)や書き初めの書、昨年の達磨などを焚いて1年の無病息災、五穀豊穣を祈りながら年神様を送ります。

その火で焼いた団子や餅、繭玉を食べると、その年は無病息災で過ごせるといわれます。又、書き初めを焼くと書道の上達をのぞめるといいます。

地域によりその名称は様々で、「どんと焼き」「道祖伸まつり」「オンペ焼」などともいいます。元は宮中の清涼殿で行われていた儀式です。

 

実家の庭先で左義長を行いました

左義長
冬の関東は乾燥しているので火の取り扱いは厳重注意です。 正月飾りや門松を焚きます。

 

左義長
昨年の目標は達成できませんでした。 達磨さん片眼でスイマセン

 

餅花はなかったので焼き芋にしました。

 

残った灰は畑の土と混ぜてしまいました。灰はアルカリ性なので土の酸性土壌を中和する効果があります。灰の中にある針金や釘、達磨さんの底の重しなど丁寧に取り除きましょう。